注)記事の日付は太陰暦を用いております

2009年03月03日

時節よし

如月七日 曇りのち雪

 夕方からの雪の予報を仕入れて、朝から畑に出た。雪の気配はまだ遠いものの、空気がシンと冷えている。日々是野良仕事ではあるのだが、締め切りがある仕事ははかどるもので、雪の降らぬ内にと手足に力が入る。畑を拡げたために今年の春も畝作り作業に追われているのだが季節は待ってくれない。暦を見ればもう啓蟄も間近にせまり、まだ初種播きも済ませておらぬ自分の作付け手帳に焦りを覚えはじめてきた。畝作りと種播きとで振り子が揺れながら、1時間おきにどちらも進めることにした。

 今年の種始めは、2月播きの雄、レタスからスタート。表土の草を除き、土を出し、種を降ろし、土をかけ、鍬の背で押さえ、草を被せる。四ヶ月ほどぶりの、懐かしき手順。なまくらの体の筋肉が、少しずつ作業を思い出してくる。この、うずきの快感はもうしばらく続きそうな気がする。

090303seeding1.jpg  090303seeding2.jpg
播種前に草をどけて種を播き        土をかけて抑えてその後に草を



 途中、種の補充にホームセンターへ出ると、葱の苗を目にしてしまい予定にはなかった葱も植えることにして急遽買うことにした。作付け手帳を書き替えなければならないこの予定変更がまた、何故か楽しくてたまらないのだ。



 この2月は概して暖かかった記憶がある。暖かい2月に種播きの気持ちは誘惑されていたのだが、感覚的に一度寒波が戻る気がしていた。発芽してからの降雪と冷気はできれば避けたかったのもあり、結果としてこの週の寒の予報を聞くことになった。悪くないんじゃないのかね、この今年の漠然の勘の虫は。この寒さは来週までは続くまいから、そろそろジャガイモの準備をはじめるとしよう。厳密なものは何もなく、正解もなく、大失敗もない、そんな栽培が自分には向いているのだと思う。自然農はそのスピードにあっているのだと思う。

 夕方、結局は雪は日暮れまで待ってくれていて、嬉しい誤算で張り切った作業はなかなかの進度を見せた。夜は雪、明日は作業は休みかな。確定申告できますね。農園Blogもまとめられますね。こういうタイミング、今年はうまくこなしていけるだろうか。さて。


090303snowing.jpg

〜松、梅、夜の雪〜       
posted by 学 at 23:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 畑の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月23日

黄色き

師走二十八日 晴れ

 珍しく筑波山に雲がかぶり、思いがけずずいぶんと暖かい昼、畑を歩くとその暖気に答えるように黄色き顔が一輪。枯草を掻き分けるようにむっくりと、寒気に襲われぬように低く低く。



 090123yellow.jpg


 三日前より大寒に入り、いよいよ、産みいずる季へ。



【大寒】…冷ゆることの至りて甚だしきときなれば也(暦便覧)
      ★雑草屋的季節分布★ 秋:冬=1:9

     ますます極寒の辛苦にさいなまれ、寒さの絶頂期である。
     一年で最も寒い季節で、各地で一年の最低気温が記録される。
     沢は凍りついているが蕗の花が咲き始め、
     鶏が卵をかえし始め、春はもうすぐ間近に迫っている。
     ※読み:ダイカン
     <参考:【室礼】和のこよみ
 
posted by 学 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 畑の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月25日

聖夜はともかく

霜月二十八日 晴れ


081225mixed_leaf.jpg



 新暦の12月25日。冬至の3日後(今年は冬至が21日だったために4日後ですが)であり、太陽の高度が最も低くなってから、緩やかに高度の上昇を確認できる頃。クリスマスも、もともとは太陽高度の復活を祝う古代行事と神話と宗教がトロトロに溶けたミックススープのような行事である。

 気温の上昇はもう少し後の立春を待つことにして、キリストが生誕したとされる話はともかく、お日様の時間が少しずつ回復し始めた畑の様子をお届け。



081225cabbage.jpg  081225chard.jpg
キャベツ  &  スイスチャード

081225endou.jpg  081225soramame.jpg
エンドウ豆  &  空豆

081225daikon.jpg  081225hakusai.jpg 
ダイコン  &  ハクサイ

081225naganegi.jpg  081225rucola.jpg
長ネギ  &  ルッコラ

081225ninjin.jpg  081225raimugi.jpg
ニンジン  &  ライ麦



 洋の東西問わず、冬至の周辺にはお日様を祝う慣わしが行われてきた。そんな人々の昔からの知恵と感謝の念を、クリスマスの喧騒の後に思い起こして畑に立つのもまた一興。




クリスマスとは
 …クリスマスと太陽信仰について、大いに参考になる。
  真贋嘘実が錯乱するクリスマスの起源などが比較的冷静かつ丁寧にまとめられている良記事の一つ。 

  記事は「クリスマスと茶の湯」という冒険的試み(笑)がなされているHPの中の一項から。
  こちらの冒険的HPは「茶の湯の楽しみ」というHPのリンク集に掲載されている。
posted by 学 at 23:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 畑の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月06日

冬立つ前の

神無月九日 晴れ

 引越1年目で苦労した畑に、もうすぐ冬が生まれようとしている。立冬を明日に控えた、自然農の畑の点景を六点ほど。



 081106daizu.jpg
 <大豆>

 枝豆として栽培しながら、収穫もれした株をそのまま残して大豆への実りを待つ。霜が降りるか降りないかのこの季節、緑の莢が一斉に枯れ茶色へ変化し、柔らかい豆は日に日に固く締まっていく。莢が弾けて豆が落ちてしまわない内に刈り取り、干して大豆として、そして翌年の種として、冬を共に過ごす。冬作業のひとつ、味噌作りには、この大豆が主役へと踊り出る。


081106tamanegi.jpg 
 <タマネギ>

 初秋に球根植えしたタマネギが、枯れ草をかき分けて葉を伸ばしてきた。自然農の野菜の成長は、実にゆるやか。肥料を前提にした慣行農や有機農を想定した説明書には、早ければ晩秋から初春にかけて収穫できるとあったが、概ね自然農の畑では春から夏にかけて育って、ようやく丸まるとした姿がお目にかかれる。これから生命豊かな畑に育っていけば、もう少し早く育つのかもしれないが、今はその速度が、この畑での自然なスピード。
 

 081106rucola.jpg
 <ルッコラ>

 スーパーで買い求める野菜と自然農で育った野菜の違いが如実に現われる点に、その野菜の「香り」を挙げられるのだとしたら、香味野菜のルッコラはまさしくその代表格。今年の畑と比較的相性がよく(もしくは単に生命力が強いのかもしれないが)、折々に鮮烈なる香りを楽しませてくれた。友人のパン屋さんやカフェでもしばしば使っていただく度に、その存在感の評価が高く、なんとなく嬉しくなるので季節を問わずこれからも育てていきたい野菜のひとつ。よろしく。


 081106soramame.jpg
 <空豆>

 10日ほど前に播種した空豆が、今日の暖かさに反応してようやく土から顔をのぞかせた。冬越し野菜の代表格である空豆。秋に発芽して冬が本番を迎える前までに少しずつ成長しながら根を伸ばし、寒さに一度歩みを止めて雌伏して、春の息吹にあわせてまた活動を始める。雪に埋もれる空豆の苗を眺めて、初夏の空豆を思い浮かべるのことも、いつの間にか冬の作業の風物詩となってきた。


 081106chingen-tower.jpg
 <チンゲン菜>

 夏に収穫してそのままにしていたチンゲン菜の畝を歩くと、枯れた雑草の中にひっそりと生き残るチンゲン菜の株を見つけた。栽培して収穫した後は耕運機で土を混ぜ耕す従来の農ではまずお目にかかることはないが、耕さない自然農の畑ではしばしばこうした野菜達の「その後」の姿に出会うことも少なくない。外の葉を落としながら成長していくために、タワーのように株下に茎をそびえ立たせるチンゲン菜の立ち様は、何か神々しくも見えてくる。


 081106marigold.jpg
 <マリーゴールド>

 線虫抑制のコンパニオンプランツとして、畑にばら蒔きしていたマリーゴールド。畑の営み自体が不十分であったために本命野菜の成育が思わしくなく、抑制効果の判断は翌年移行に持ち越しとなった。種も強く迷惑雑草として根付くことも多いとの話も聞くが、雑草と共存する自然農でどこまで上手に利用できるか。一斉開花の花畑が広がって、また来年の種に繋がっていく。畑を歩いて体が触れるたびに満ちるその芳香は独特かつ強烈であり、彼らの力強さを物語っているかのよう。



 それではおやすみなさい。
posted by 学 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 畑の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月05日

わからずじまい

皐月二日 曇り時々霧雨

 ジャガイモが、黄色く枯れる。病気、ウィルス、害虫、なかなか原因がわからずに、結局対策はとれずに枯れ広がるのを見送ることになってしまっている。手元で調べただけであるが、結局はわからずじまいで複数の心当たりに突き当たるのみ。


あるサイトの情報をそのまま引用してみて考えてみたい。

=================================================
葉が黄色くなっている場合には、

1.虫でやられた
2.病気(根腐れを含む)でやられた
3.収穫期
のいずれかです。すぐに掘ってみて土の中の状態を見てください。虫がいたら虫ごと掘り出して焼却。根腐れならば排水を。収穫期ならば収穫します。
種芋が腐るのが植えつけ1−2ヶ月語ですのでこちらも注意してください。根の成長が不充分な場合には.種芋が腐ると同時に木も枯れます。
いずれにしても今後の成長は見込めません。
=================================================

また、
=================================================
ジャガイモの病気で厄介なのは「うどん粉」「軟腐(なんぷ)病」「疫病」で、いずれも葉っぱが黄色ではなく白か黒になります。
黄色くなるのは「センチュウ」や「夜盗(ヨトウ)虫」がイモや根・茎に喰らいついている時です。
=================================================

ともある。

 さて、小生の畑の様子ではどれであろうか。茶色い斑点と、黄色く枯れる症状がまずはキタアカリから広がり、今では男爵も同様の症状が見られる。


080604potate.jpg




 自然農は楽しさと同じだけ、悩みも尽きないもの。それもまた楽しみとしてしまえるかどうかが、自分との向き合い方でもあり肝でもある。
posted by 学 at 23:00| Comment(4) | TrackBack(0) | 畑の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月28日

どなたですか

卯月二十四日 晴れのち曇り

 昼は汗がにじむ程の陽気かと思えば、午後深くには雲低く風が強まり、冷たい空気が流れ込んでくるような空となった。暑いやら寒いやら、天気の転がりやすい季節。

 さて暑い昼間の出来事。二年前とほぼ同じ日の、同じような場面に遭遇した。



080528eggs.jpg



 種を播き播き、草を刈り刈り、手元に視線を集中している先に現われた、命のかたまり四つ。吉瀬では雉の卵に遭遇して親鳥との対面も果たしたが、この玉取の畑ではサイズがひと回り小さくなったピンポン玉ほどの卵。これはいったいどなたのかしら? この畑で見かける方といえば、雉か鳩かヒヨドリか雀、あとは烏と燕くらいか。はじめて見るデザインと大きさ、しかも木の上ではなく地面に巣がある。

 ざっとインターネットで調べた結果、卵の形で一番近いのがヒヨドリ。ヒヨドリって木の上に営巣するらしいのだが、あまりに雑草の中が気持ちよくて作ってしまったのだろうか。こちとらも二年前とは違って卵は食べないからさ、近いうちに移動してくれるといいんだけどな。


 …美味いのかな?
posted by 学 at 22:32| Comment(3) | TrackBack(0) | 畑の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月16日

苺の味

卯月十二日 晴れ

 畑に被写体が溢れはじめてきた。今日の晴天に撮りだめして、また生育を見守る。 今日はこれ。


 080516ichigo.jpg
 
 甘さと酸っぱさ。散歩に寄られた地主さんにお一つ差し上げると、うーん、苺の味だなあ、とつぶやかれていた。


 昨年からの耕作された畑での育ちが芳しくなく、春先に庭木を燃やした灰を少し振り撒いてみた。脱穀精米した後の米糠と籾殻も振り撒いてみている。即効性は無いかもしれないが、少しずつ豊かになりますように。




posted by 学 at 21:56| Comment(2) | TrackBack(0) | 畑の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月22日

遅れるな

弥生十七日 晴れ時々曇り

 てんやわんやと種播きシーズンど真ん中。芽吹き、菜の花、麦の出穂。言葉よりも先に手足を動かさなくては。遅れるな。


 080422ingen.jpg

 いつみてもインゲン豆の発芽は力強い。
posted by 学 at 22:25| Comment(2) | TrackBack(0) | 畑の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月02日

楽しい

如月二十六日 晴れ

 昨日の荒れ狂うような暴風は止み、穏やかな春日和。筋肉疲労が溜まりながらも農作業が楽しい楽しい。もっと畑に雑草が増えてくれたらもっと楽しいだろうに。 ←普通のお百姓さんの口からは到底耳にすることがないだろう内容の呟きだね(笑)。


080330ninniku.jpg

ニンニク君、力強く茎を伸ばしてきた。



※昨日の記事は、全く根拠の無いエイプリールフール企画でした! ご了承くださいませ。
posted by 学 at 23:55| Comment(2) | TrackBack(0) | 畑の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月28日

春雷

如月二十一日 曇り時々雨

 いつのまにか春分が過ぎ、日に日に土の温度がぬくもりをみせ、三日に一日は雨が降る。播いた種が喜び勇んで眠りから覚め、全身を感度にして春の大攻勢を受け止めている。秋播きの麦や空豆、豌豆たちは冬に張り巡らせた根を屋台骨に、いよいよの陽射しをエサにして一日ごとに背を延ばしている。

 ジャガイモ、カブ、大根、小松菜、ほうれん草、レタス、山東菜、チンゲン菜、まだまだまだまだ播き足りない。人参、葱、ニラ、インゲン豆、キャベツ、キュウリ、ミョウガに菊芋、浮き足立つほどに種たちが出番を待っている。畝作りして、種播いて、芝の根っこをほじくり返して芋植えて、両手も両足も四本あっても足りそうにない。それがまた楽しい。

 今日も明日も続きそうな春の陽気がふと翳り、午後に冷たい風を運んできたと思っていたら、遠く春雷が聞こえてきた。よし、雨が来る。自然農では播種後に水をやらない。その代わりに草をかけて乾燥を防いだり雑草を生やしておいたりして湿気を保つ。種を播いた後は、その土に自然に残る水気を頼りに発芽してもらう。そのため、種播きした後にやってくる雨雲は、まさに天の助けとなる。

080328shunrai-mae.jpg


 雨は冷たく、そして一刻ほどで去っていった。湿り気を含んだ土は柔らかく種播きにはむかないが、芝畑の土を崩すにはもってこいの柔らかさ。晴れて、雲って、雨が降り、いよいよ春が盛りに入る。
posted by 学 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 畑の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月29日

萌し動く

睦月二十三日 晴れ

 太陽暦では閏年の2月29日でした。暖かな一日でした。なんとも穏やか、よしよし。

 当Blogで時折紹介する二十四節句とは別に、一年の巡りをさらに三分に細分化して暦を感じるものに「七十二候」がある。特に理由も無いが、延べ始めると一年に72回も取り上げなくてはならなくなるという恐怖が先に立って今まで意識的に避けてきた。やれやれ。
 2月29日ってなんか特別なのかしら、とカレンダーを見上げると、別段何も詳述はなく、代わりに七十二候の「草木萌動」とあった。「そうもくきざしうごく」と読み、陽気に誘われ草木が芽を吹き始める頃とある。いやはや、おっしゃる通り、付け足す言葉がまるでない。かくも暦は変わらず、かくも言葉は美しく。二十四節句とは異なり、古来唐土より伝来した言葉を次第に日本に風土に合わせて改良していったとのことにて、節句よりもきめこまかやかな趣を感じる暦とも言えるかもしれない。なにせ、あなどれません。

 草木に負けず陽気に誘われた小生は、いい加減ウンザリ気味の畝作りをひと休みして、(また)移植作業に逃げ込んだ。いよいよ最終的にお別れも近い吉瀬の畑から、玉葱、ウコン、ミョウガを救出して、おまけに知人からいただいた長葱も加えて、畑にザクザクと植えていく。玉葱は、本来の移植時期ではないが、止むを得ないお引越。長葱は、既に収穫期を迎えた成熟株であるが、大量にいただいたので保存を兼ねて定植。ウコン、ミョウガは、保存して適期に植えつけることにした。来援した友人兼見学者のお手伝いも幸いして、ほのぼの天気とともに作業を進めることができた。
 今日は芽吹きの陽気といえど、厳しい風がいつ戻るやもしれぬ季節。長葱の佇まいを少し心配して、物置小屋の掃除で出てきたタカキビの枯れ枝を風除けにこしらえた。草のまだ見えない畑の中の、ネギとタカキビのコントラストがなんとも微笑ましく。このひと手間、「愛情」なのか「思いつき」なのかはさておき、瑣末な情として伝わりますように。


 080229combination.jpg
posted by 学 at 23:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 畑の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月21日

うねー

睦月十五日  晴れ  【雨水】(今年は2/19から)

 毎日、毎日、畝作り。午前中に風が強すぎる日には、昨年収穫して貯蔵しておいたジャガイモを取り出して、来週以降に予定している植え付けの準備に、芽欠きや日光浴(芽の緑化)を陽だまりで行う。準備するのはいいが、畝ができてなければ植えられない。

 畝、うね、ウネ。鍬、くわ、クワ。掘り、ほり、ホリ。この苦行を乗り越えれば、楽しい楽しい種播き、植え付け、栽培作業が待っているのだ。

 080220une.jpg

 はーーーー、やるしかねーーーー。


 日の伸びはじめた夕方、東の空に上りだした満月が疲れを癒してくれるのが、せめてもの救いかな。


【雨水】…陽気地上に発し、雪氷とけて雨水となれば也(暦便覧)
     雨水とは「雪散じて水と為る也」(「暦林問答集」)とあるように、
     今まで降った雪や氷が解けて水となり、雪が雨に変わって降るという
     意味である。この頃、雨水ぬるみ、草木の発芽を促し、萌芽のきざし
     が見えてくる。昔より、農耕の準備などは、この雨水を目安として始
     めるとされてきた。
     ※読み:ウスイ
     <参考:【室礼】和のこよみ
posted by 学 at 23:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 畑の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月18日

顔を出す頃

睦月十二日 晴れ

 確定申告の手続きがスタートしたと、車のラジオから聞こえてきた。無視無視、と行きたいところを現実が引き戻す。ああ、残り一ヶ月。初めての申告、がんばろうっと♪


 この数日よりも風が穏やかになった今日、昔の畑に戻りひと作業。樹木類の移植の準備をしながら枯れ草の中を歩くと、ようやく今年のアイツに出くわした。どうしてだか春を待ちきれずに、毎年この手足が凍えるこの季節に顔をのぞかせる、初春の申し子、フキノトウ。しばしのあいだ移植を忘れ、ほくりと柔らかく摘み取り、ポケットに忍ばせる。吉瀬の畑の北側に元より自生していたもので、しばらくすると一面がフキに覆われる為、この冬に数株を引越しさせてもらっている。引越し先では根付くのに精一杯で今年は難しいかもしれないが、生命力が猛々しいフキには是非とも居座ってもらいたいものだ。


 080218him.jpg


 肝心の木の植え替えも、なんとか忘れずに車に乗せることができた。お茶の木、枇杷、紫陽花、葉山椒(山椒の雄株です)、枯死寸前の無花果(イチジク)など、二年の間に人知れず植えてきたものを色々と。今日は畑から根っこを掘り出すところまで。明日、農園の畑と、家の庭にそれぞれを植えてみる。
 
 樹木類の移えつけは、確定申告とフキノトウが顔を出す頃がよし。冬から春にかけて種類によってもまちまちでもあるが、種播きシーズンを迎える前にできる、楽しい作業のひとつである。


 ああ、また確定申告のこと思い出してしまった…。領収書領収書…。
posted by 学 at 22:40| Comment(4) | TrackBack(0) | 畑の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月06日

越す

師走三十日 大晦日 雪時々曇り

 一昨日に立春を迎え、昨日の晴天を喜んでいたら、朝起きると雪が積もっている。集合日の前に済ませておかなければいけない事が山積みではあるが、畑作業に出られない。ここぞとばかりに旧暦師走の大晦日を、引越荷物にうずもれる新居の大掃除にあてることにした。

 一段落の目途もつかず、蕎麦の代わりにインスタントのカップパスタ(たまには食う♪)を流し込み、掃除と資料作りを夜中まで。気がつくと年明けまで数分。なんとか年越しは心を落ち着かせておくることができたのだった。
とはいえ別段、太陰暦で正月を祝うほどかぶれているわけでもないのが正直なところであり、インチキ百姓にとっては、旧正月よりも二十四節句の「立春」のほうが意味は大きいのだが、やはりなんとなく、嬉しいものでもある。

 昨日の晴れ、今日の雪。明日の正月は晴れの予報。寒さは峠を迎え、新しいひとめぐりに想いを寄せ、畑に立ちたい気持ちが募る夜。

080204hatake.jpg

 

【立春】…春の気たつを以て也(暦便覧)
      この日の前夜を年越しと考える風習がある。このため正月節、歳首節などともいう。
      旧暦の上(節切り)では、この日が一年の始めとされた。
      「春立つ」「春来る」などとともに、春の代表的な季語になっている。
      日足が伸び、この頃から気温は上昇に向かい、木々もしだいに芽吹き始める。
      春の気配をどことなく感じる時節である。
      この日の早朝、禅寺では入り口に、立春大吉と書いた紙札をはる風がある。
      また、立春は雑節の基準日で、八十八夜・土用・二百十日などを起算するもとになる。
      ※読み:リッシュン
      <参考:【室礼】和のこよみ
posted by 学 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 畑の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年01月17日

犬喜び

師走十日 雪のち晴れ

 いつもより寒さが緩いかな、と思ってカーテンを開けると、窓の向こうには今期初めての雪景色が広がっていた。所用で朝一番に車を出した後、予定も無いのに田んぼと畑を散歩する。犬でもないのに喜び勇んでカメラを持って駆け回る。東北南部、太平洋岸の港町に育った小生は、以南の関東地区に順じて降雪の少ない地区ではあったが毎年何度かは雪だるまと雪合戦の機会を得て子供時代を過ごしてきた。自然農をはじめてこの数年も、やはり時折雪に埋もれる作物を眺めては、その風景をなんとも愛らしく思ってきた。つくばで育つ野菜たちにとっての雪がどんな意味をもつかはわからないが、自分と同じように、気まぐれに訪れるこの白絨毯に、喜んでるようにも見えてくるのが不思議な気がする。

 080117snow3.jpg



 根雪には決してならない、昼にはとけて消えてしまうプレゼントに、いくつになっても心が弾んでしまう。昼を過ぎたら楽に収穫できるのに、その冷たさが嬉しくて、雪に手をさしながら小松菜をちぎって採ることにした。移植を待つ玉葱の苗に、そのはしゃぎぶりを見られているようで、なんだか恥ずかしかった。



080117snow1.jpg
posted by 学 at 23:00| Comment(3) | TrackBack(0) | 畑の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月26日

探索

霜月十七日 晴れ

 この時期、枯れ落ちる夏草のとしめやかに生える冬草のコントラストが畑に濃淡を作りだし、冬の陽だまりの暖かさを演出する。慣行農、有機農の土が露出した畑では決して見られない、自然農ならではの冬景色でもある。


 071225ya-kon1.jpg
 
 そんな畑に足を踏み入れると、今年初めて作付けしたヤーコンが、枯れに枯れたり茎がしなだれている。まずいまずいとスコップを片手に掘り起こし、根菜部と種芋をなんとか救出した。食べ方をまだまだ探索中ではあるが、キクイモと同様に生命力が旺盛な上に、健康増進に注目される成分が豊富な食材でもある。今のところ、キンピラや漬け物など意外にレシピが出てこないが、旨さと食感の面白さと栄養価の長所を生かして今後も作っていきたい野菜の一つでもある。


071225ya-kon2.jpg

レンコンとサツマイモの間のような風体。穴は空いておりませぬ。



 農書をみると大概には「肥料が必要」と書いてはあるが、なかなかどうして自然農にも向いたなかなかの活躍が期待される。さて、どうやって食べようか?
posted by 学 at 14:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 畑の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月19日

ばりばり

霜月十日 曇り

 朝にグンと冷えて、昼頃になってようやく外作業に入るのがちと情けないが、寒すぎる部屋を出ると意外に暖かい外気に驚くことがある。つまりは、早く作業しろよ、ということであるが。

 今日は先月に収穫を済ませていた大豆の脱穀を行った。畑で育った根本を丁寧に刈り取って、枝ごと乾燥させておいたものを、米袋の中で脱穀することにした。

071219daizutori1.jpg  071219fumifumi.jpg


 米袋の中に入れてブルーシートで包み、ばりばりばりと足で踏む。カラカラに乾いた莢から豆がこぼれ落ち、後は枝を振り叩きながら袋から取り出せば、豆は袋の中に落ちてゆく。量が多ければ、大きなバケツや唐箕を使って選別する必要があるが、今年の収量としては米袋で対応可能。脱穀された枝の姿に、なんともいえない物寂しさと愛嬌が宿る。



071219after.jpg



 曇り空の中に暖かさを感じながら作業をしていたが、小一時間ばかり腰を下ろしているうちに体の芯が冷えてきた。米に豆にと脱穀が進むこの時期。田畑での作業が少しずつ減り、こうした地味な作業が多くなる。来年は暖かい作業小屋なんかが欲しいなあ。と、来期の展開に少し思いを寄せる。

 そろそろ、来期の構想が決まりそうです。
posted by 学 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 畑の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月19日

降り立つ

神無月十日 晴れ 


 
071119shimogare.jpg


 前日の集合日の畑で目にした、濃緑色に溶けたようないくつかの野菜の葉。ようやくきたか、というなんとなく待ち遠しかったこの季節の風物詩。霜枯れ。サトイモ、サツマイモ、落花生、ジャガイモなどが、この葉色とともにまるで魔法にかかったように朽ち枯れていく。まるで溶けて消えるかのように。そしてそれは、早く収穫しなさいという、季節からのお告げでもある。夏に育っていたこれらの野菜たちは霜が降りたその日のほぼ一発で生命力を失い、ぐったりと命の営みを終える。そして、その宿した生命力を大事にいただく季節がこれから深みを増してゆくことになる。

 霜でも枯れない冬菜や春の豆、麦類はこの冬にも少しずつ背を延ばし、あるものは貴重な冬の食物となり、あるものは雌伏して早春の彩りに身を備える。

071119hatsujimo.jpg



 季節の変わり目は、時にゆっくりと、時に一瞬で訪れる。
posted by 学 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 畑の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月25日

鍬振り

長月十五日 晴れ 【霜降】(昨日から)


071025tukiyo.jpg


 久しぶりに鍬を振って作業していたら、いつの間にか東の雲の中に丸い月が昇っていた。十五日の夜。月齢の関係で満月は明日になるとのこと。

 体を動かせ。ただひたすらに。


 【霜降】…つゆが陰気に結ばれて、霜となりて降るゆへ也(暦便覧)
      北国や山間部では、霜が降りて朝には草木が白く化粧をする頃。
      野の花の数は減り始める、代わって山を紅葉が飾る頃である。
      <参考:こよみのページ


 ※つくばではまだ、霜は降りていません。
 
posted by 学 at 21:53| Comment(4) | TrackBack(0) | 畑の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月28日

晩春の色

卯月十二日 晴れ

 天気良く、空気の涼しい、作業には最良の一日。雨と暑さと怠け心、おまけに鳥にも負けて少々ペースが遅れがちの畑作業を取り戻そうと、朝からぶっ続けで畑に出る。

 お前らええ加減にせんかい、と愚痴りたくなるほどの、山のように茂る雑草たちとの格闘。種を播くにも雑草、苗を植えるにも雑草、育てるにも雑草、何をするにも雑草を刈らねば始まらない。ああ、なんかなつかしいなあ。セイタカアワダチソウ、ヨモギ、クズ、数年前の熊谷での格闘が走馬灯のように思い起こされる。軽い前途への不安感を背負いつつも、それでも手を進めるしかないのである。

 気分転換に、つくし農園の畑へ。こちらもまた、一面に賑やかな緑の大躍進。その中に、熊谷から種を運んだお気に入りの花が可憐に咲き出していた。晩春を青に染める矢車菊。採種して、根付くかどうか不安ながらもばら撒きして待ち焦がれた一輪。

070528yagurumagiku
 

 そして塔立ちして花を咲かせた春菊。心が救われる彩り。

070528shungiku



 一週間まえから暦は「小満」へ。幸運にも涼しさが続くらしいこの週、フル回転で田畑に出るべし。



【小満】…万物盈満(えいまん)すれば草木枝葉繁る(暦便覧)
     陽気がよくなり、草木などの生物が次第に生長して生い茂るという意味。
     西日本でははしり梅雨が現れる頃
     ※読み:ショウマン
     <参考:こよみのページ
posted by 学 at 19:04| Comment(5) | TrackBack(0) | 畑の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする